いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】「とりあえず格子」のデザインは卒業!エクセルでワンランク上の表に仕上げる罫線テクニック

どの表も「とりあえず格子」で表の見た目が全部同じ……

 Excelで表を作る作業を繰り返していると、セルにデータを入力した後に表を見やすく仕上げるために罫線を引く作業にも慣れてくることでしょう。

 Excelで従業員名簿を作成することになり、ようやくすべてのデータをセルに入力し終わった(①)とします。皆さんなら、この名簿の見た目を整える時、どのような操作を行いますか?

 名簿のように、縦にも横にも多くのデータが入力される表を作った時は、仕上げに付ける罫線として「格子」を選ぶことが多いのではないでしょうか。格子はデータの境界がわかりやすくなりますよね。でも、何でも「とりあえず格子」では、自分が作ったすべての表の見た目が似通ってきてしまいますし、ほかの人が作った表との違いも出にくくなります。

 今回は、「格子」の罫線を選択する以外の方法で、表をより見やすくするテクニックを解説します。

方法1:[テーブル]機能を活用して行や列に交互に色を付ける

 表の見た目を整える1つ目の方法は、[テーブル]機能を活用して名簿の行や列に1行おきに色を付けるというものです。先ほどの「○○商事従業員名簿」を例に、この方法で名簿を仕上げてみましょう。なお、この方法の場合は表をテーブルに変換する時に表の範囲が正しく認識されるよう、表の表題(ここではセルA1に入力されている「○○商事従業員名簿」)と表の本体の間を1行空けておく必要があります。表が1行目から入力されている場合は、空行を作る必要はありません。

 まず、表に含まれるセル(ここではセルA3)(①)をクリックして選択します。その後、[ホーム]タブ(②)→[テーブルとして書式設定](③)をクリックし、表示されるテーブルスタイルの一覧から表に適用したいスタイル(④)を選択します。

 [テーブルとして書式設定]ダイアログボックスが表示されます。[テーブルに変換するデータ範囲を指定してください]欄に、テーブルに変換する表のセル範囲が正しく表示されている(⑤)ことと(セル範囲に誤りがあった場合は、修正してから先に進んでください)、[先頭行をテーブルの見出しとして使用する]の左側のチェックボックスがON(⑥)になっていることを確認し、[OK](⑦)をクリックします。

 表がテーブルに変換され、先ほど選択したスタイルが適用されました(⑧)。

 [テーブルツール]の[デザイン]タブ(⑨)で、[縞模様(行)]のチェックボックスをOFF(⑩)にして[縞模様(列)]のチェックボックスをON(⑪)にすると、表の縞模様が縦方向に変わります(⑫)。

 テーブルに変換した後はデータの並べ替えなどがしやすく便利ですが、表をテーブルにしておく必要がない場合は、テーブルのデザインを適用したままテーブルから表に戻すことができます。[テーブルツール]の[デザイン]タブ(⑬)→[範囲に変換](⑭)をクリックします。

 [テーブルを標準の範囲に変換しますか?]というダイアログボックスが表示されるので、[はい](⑮)をクリックします。

 見出し行のフィルターボタン([▼]のボタン)が表示されなくなり、デザインを残したままテーブルから表に戻すことができました(⑯)。

 このデザインを自分で一から作るのは大変ですが、テーブルとしてスタイルを付けるのであればクリック操作だけで簡単にできますよ。

テクニック2:色が使えないなら横線だけでスタイリッシュな表を作る

 先ほどのテーブルスタイルはセルの塗りつぶしなどを活用して表をカラフルに仕上げるのに便利です。でも、セルの塗りつぶしを多用すると印刷コストが気になる場合がありますし、モノクロ印刷にした時に塗りつぶしたセルの中のデータが見えにくくなってしまうこともあります。

 このような場合は、罫線だけでスッキリ見せる工夫をすると良いでしょう。実は、表に罫線を付ける時、横線だけでも十分表を見やすくすることができます。先ほどの「○○商事従業員名簿」を、罫線だけを使って見やすく仕上げてみましょう。

 先に、見出し行には別の罫線を付けてわかりやすくなるようにしておきます。見出し行(ここではセル範囲A3:L3)をドラッグして選択(①)します。

 見出し行が選択できたら、[ホーム]タブ(②)→[罫線]の右側に表示されている[▼](③)をクリックし、表示されるメニューから[上罫線+下二重罫線](④)を選択します。

 次に、表の見出し行以外の部分に横線を入れる操作を行います。表の見出し行以外の部分全体をドラッグして選択(⑤)します。

 表の見出し行以外の部分全体を選択できたら、[ホーム]タブ(⑥)→[罫線]の右側の[▼](⑦)をクリックし、[その他の罫線](⑧)をクリックします。

 [セルの書式設定]ダイアログボックスが表示されます。[罫線]タブ(⑨)をクリックし、[線]の[スタイル]欄で実線(⑩)を選択します。その後、[罫線]欄の上下中央部分をクリックして実線を表示(⑪)させ、[OK](⑫)をクリックします。

 見出し行とデータの間は二重線、それ以外は横線が表示されるようになりました(⑬)。このような罫線を付けると、単純に格子にするよりも表の中の行が強調され、同じ行にあるデータを認識しやすくなりますよね。

 Excelにもともとある枠線があるので、画面上では格子のように見えますが、枠線を非表示にするとより見やすさとスタイリッシュさが際立ちます。[ページレイアウト]タブ(⑭)をクリックし、[枠線]欄にある[表示]の左のチェックボックスをOFF(⑮)にすると、シートの枠線が非表示になり、先ほど追加した罫線のみが表示されるようになります。格子よりもだいぶスッキリした見た目の表になりましたよね。

罫線を工夫すればひと味違った表に仕上げられる!

 今回は、Excelでひと味違った表に仕上げるための罫線テクニックを解説しました。テーブル機能を活用するテクニックも、横線を活用するテクニックも、どちらも見やすくスタイリッシュな見た目に仕上がりますよね。

 これまで表を仕上げる時に単純に「格子」の罫線を選択していた方は、今回の記事を参考に、これまでよりもワンランク上の仕上がりを目指してみてくださいね。

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